年末に飾ったお正月用のお花は、
松の内が明けたら「活け替え」てリニューアルして楽しむことをおすすめしました。
こちらの記事で紹介した事例では、
活け替えるときに「花の買い足し」をしたり「吸水スポンジ」を使ったりしていましたし
活け替え前の花の写真を撮影するのを忘れていたので、
もっと「何も準備がなくてもできる」ことをお伝えしたいと思い
2024年の活け替えのようすを再度、撮影しました。
12月28日に、主にスーパーの束売花でマグカップに活けた正月花はこちら
2023年末は、12月28日に花を買ってきて、活けたこちら。
お正月花も、「主にスーパーの束の花」を使って
マグカップにただ花を入れる「投げ入れ」で飾りました。(スポンジや剣山を使わない)
このスタイルだと、花ばさみさえあれば手軽にできることを見せたかったからです。
正月花を飾る様子は別の記事で詳しく書いています。
2週間「水を足しただけ」の正月花の姿がこちら
一度花を飾ったら、毎日 水を替え、手入れをしなくてはならない。
そう、花の本などには書いてあります。
もちろん、それができれば理想的です。
できるに越したことはありません。
「ええ、でも、ぶっちゃけ そんなこと
とてもじゃないけど毎日仕事だし
家事育児優先だから できません」
って思ったことがある方のために この記事を書いています。
我が家も
「とてもじゃないけど、毎日お手入れなんて
しようと思ったら自分の身が持たない、無理」なので
2週間の間、ほぼ「減った分の水を足す」ことしかしていません。
活けて2週間経過した、鏡開きの日。1月11日の姿がこちら。
↓「我が家の、2週間水を足すことしかしていない正月花」です↓
一部、萎れた花もありますし、痛んだ葉もあります。
でも、きっとあなたがこれまで想像していた
「2週間なんにも手入れしなかった花」の姿と比べてどうですか?
『思っていたよりずっとキレイ』なのでは?
飾って1週間で、バラが枯れました。
これは予測どおり。
束で買ったバラの花なので、1週間というのは普通です。
なので、1週間目にバラの花を抜きました。
バラが傷んでいたので、いちおう バラの入っていた赤いカップの花は
茎を全部洗って、茎を切り直し、器も洗って、新しい水に活け替えています。
ほかのアレンジは「活けたそのまま」「水だけ、減ってきたら足す」
それだけの状態で、14日後になります。
萎れた花、葉を取れば、まだまだじゅうぶん、楽しめる状態ですので
この正月花を活け替えていきます。
このとき、活け替える器も、また「マグカップ」か「湯呑み」を使い
吸水スポンジや剣山といった花留めを使わず
「ただ花を切って水の入った器に入れるだけ」で飾っていきます。
今回は「花を買い足す」こともしていません。
本当に、ただ、2週間経って松の内が明けたので活け直す、それだけです。
花を足さずに、活け直した正月花がこちら
活け替える様子を撮影しています。
残ったどの材料を、どんな風に使うか?のわたしの考えをしゃべっていますので参考になれば。
「これ可愛いから植える」とか「これ可愛いからまだまだ残す」とかそんなんですw
痛んだもの、お手入れの説明+追加する材料の説明
+3つのアレンジを活けていくようすをノーカットで。
(1つのアレンジあたり約3分^^)
できあがり。
同じ花のままなので限界はありますが…
「お正月」を卒業して洋風になるようにしました。
どうして2週間何もしなくてもキレイなままなのか?
2週間「水を足すこと」しかしていない花も
まだまだキレイ!でしたね。
これには、ちゃんと「理由があります」。
「いつでもどんな状況でも、活けた切り花が2週間そのままできれいに長持ちする」
という訳ではありませんので 誤解しないでくださいね。
★1:最大の理由「冬だから」
●2:長持ちする素材が多い(菊・葉牡丹・葉、枝もの)
●3:最初に「状態の良い素材」を使った
もう少しくわしくお話しましょう。
冬だから、長持ちする
1つめ。夏はこうは行きません。
冬は気温が低いため、いわゆる「ばい菌」の活動も緩いからです。
気温の高い夏は、切り花を飾ったら
どうしても、毎日~せめて1日おきには水を替えないと水が腐ってしまいます。
水が腐るとそこに活けた花も腐ってしまうので
マメに花のお手入れと器洗い・水の交換をしないとすぐ痛んでしまいます。
なので、わたしは 対策として
夏場は切り花の「花」をほとんど飾らなくなります。
「花」じゃなくても キレイに飾れるので ダイジョウブ。
この話は 毎年夏が近くなるとしているのでお楽しみに。
冬は、とても花が長持ちするんです。
=じつは【切り花の飾りどき】!!
1・2月は花屋さんに 可愛い「春の花」がたくさん並んでいます!
チューリップやラナンキュラス、スイートピー等々、ぜひおうちに飾ってみてね。
*花屋さんの切り花の季節は、戸外より「約3カ月」…ワンシーズン、早いです。
ただし、冬だからといって 必ず長持ちするわけではありません。
暖房や、寒風、太陽光といった条件も左右しますし
もともと寿命の短い花は早く終わります。
このページだけではお話しきれないので、しっかり「長く花を楽しむ基本の考え」を学びたいときは
【おうち花入門講座】をご活用ください。
長持ちする素材だから長持ちする
2つめ。もともと長持ちする素材を多く使っていたから2週間経過してもぱっと見、キレイなんです。
花によって長持ち度は違います。
バラは1週間で枯れていますよね。
菊や葉牡丹、葉、枝ものが多いと長持ちします。ランの花も良いですよ。
(こちらの記事の正月花にはランの花が入っています)
こうした「丈夫な素材」を飾るのも1つの方法です。
状態の良い花を買う
そして、見落としやすいのですがとても重要なのが
花を買う時に「良い状態の花を買ってくる」見極めです。
もともと傷んでいる花を買ってしまうと、当然すぐダメになってしまいます。
もともと傷んでいる花を買ってしまう事なんてあるの?
って思うかもしれませんが
とてもよくあることです。
残念ながら、2024年の時点では
花を販売している売場がすべて良質、ではありません。
長く楽しむことができる良質の花を買うためには
買う売場を選び、買う花を選ぶ、という
買う側が見極めをする必要があります。
この話は、「店の質・売っている品物の質を見極める」という
デリケートな話になりますので 詳しいことは講座の中でしかお話していません。
ふつう、こんな話は聞かないと思います。
一般的なお花の先生は、花の販売という事業の中で見ると「お客さま」なので
こうした「販売事業者側」の事情は知らないことが多いからかと思われます。
わたしは農業(生産側)・市場・販売(花屋側)をひととおり見ているので
このあたりの裏事情を知っているんです。
お花屋さんの裏話ですね。
ウラ話なので、聞きたいときは裏側に来てください。【おうち花入門講座】でお話しています。
花が長持ちするのは「センス」ではない。「理科」です!
花を長く楽しみたい。
そのときに必要なのは芸術センスではありません。
まあ言い換えれば科学的センスとか農業的センスかもしれませんが
必要なのは「理科の知識」です。
小・中学校の理科で良いです。
花は植物です。
植物という生き物の、生きるサイクル、生き方のしくみを理解することが
とても大切です。
=生きもののお世話なので。
そして、それとは別に
花という商品が世に出回る事業側の側面を知ることで
花を買う時の「上手な買い方」ができるようになります。
「花が長い期間キレイな理由」は、ちゃんとあるんです。
「理科」と「事業」の2面から、なんて 自分では考えられない、
というときは【おうち花入門講座】でお伝えしていますので活用してくださいね。
プロと同じ事をできる必要はありません! だって「自分の家」の花だから
●お花はセンス とか
●花は毎日お手入れしなくちゃダメ
ってあなたも思っているかも。
もちろん、センスがあるならとても素晴らしいし
毎日お手入れできたら そりゃ~もちろん素晴らしいです!
だけどそれは
・センスがないから無理(やってはいけない) とか
・毎日お手入れなんてできないから無理(やってはいけない)
っていうことじゃ ないんだよ。
センス や お手入れする余裕は
「なくても良い」んだよ。
ないなら、ないなりの楽しみ方
っていうものが、あるんです。
あのプロフェッショナルな世界には行けないけど
「花のあるおうち」には なれます。
わたしが常々、疑問なのは、
お料理なら「おうち用」が簡単に見られるのに
お花は
「ほんとのほんとのおうち用」
「毎日疲れて帰ってきても3分でできる」
「毎日お手入れなんてできなくても大丈夫!」
っていう情報が ぜんぜんないことです。
おうちの花は
「自分の家の、自分のための花」だもの。
あなたのできる時間で
あなたができる範囲のことをして
お花が長く楽しめるなら
それで充分じゃないですか?
プロフェッショナルのお仕事は
もちろん、とても素晴らしいものです!
でも、
あなたがそのプロと同じようにやる必要も
できる必要も ありません。
毎日のおうちごはんと
張り切って出かける一流レストランの食事は
違ってあたりまえ。
毎日のおうち花と
ホテルや展覧会で見る一流デザイナーの作品は
違ってあたりまえです。
むしろ、違わないと プロのお仕事の意味 なくないですか?
繰り返しますが
あなたが、プロのプロたる
プロのテクニックができる必要なんて
これっぽっちもありません!
「おうち花」は
あなたが花と触れ合うことができて
ホッとできたり、優しい気持ちになれたり、
リラックスできたり、なんかいいなあって思えれば
大大大成功!! だと思いますよ。
ではまた^-^/