卒業式、卒園式の花束の頼み方(お花屋さんへの注文方法)のコツ

もうすぐ「卒業式」「卒園式」のシーズン!
特に卒園式では、父母会で園児全員分の小さな花束を注文しなくては!
係になってしまって「どうしたらいいのか分からない!」と
パニックになってしまうこともあるでしょう。

卒業式・卒園式の「低予算で」「数が必要な」「花束」を
お花屋さんに注文するときに
トラブルにならない・当日納得、満足、感動!の出来になるコツ

もと花屋店長がバッチリ、お伝えいたします!


 

  


★そもそも、卒業式用の花ってどんなものがいいの?

ひとくちに、「卒業式用の花」といってもいろいろあります。

●祭壇用の大きな活け込み もあるし
●壇上や階段を飾る花(鉢植えのことも多い)もあります。

●花束・・・にも、
「お世話になった先生に花束贈呈で差し出す」ものと
「子どもが持つ」小さなものとあります。

クラスの子どもが1本ずつ花を先生に渡して
先生が大きな花束を手に持つ感じにしたいとか

クラスの子ども1人1人が同じ花を持ちたい といった演出を
考えておられることと思います。

お花にも、
活け込み(フラワーアレンジメント)、鉢植え、花束といった
プレゼントのかたちがいろいろありますが

このページでは、【園児が1人ずつ手に持つ花】
【クラス全員に渡す花】【サークルの卒業生全員に渡す花】 といった、
低予算で数が必要な場合についてお伝えします。


このようなときは「お花の贈呈」が
”花を手渡す”そのシーンや ”花を持った姿”が「画」として残り
また、花を手に持って写真に入りたいですから

軽くて片手でも持ちやすい「花束」が向いています^^

  

  

       


★卒業式シーズンの花屋さんはどうなっているか知っておこう

さて、ここで、卒業式の時期の花屋さんはどうなっているのか?
【お花屋さんの裏側】を覗いてみましょう。

なぜかというと
花束は、お花屋さんに頼むわけですから
【花屋さん側の事情】を知っておくことは、とても重要だからです。

花屋さんも人間です。
お店の人の事情に寄り添って 花を頼んでくれるお客さんには
心情的に、優しくなります。

逆にお店の事情を全く考慮しない、ひとりよがりな注文、頑固な姿勢だと
心情的に反発してしまいやすいです。人間だからね。


と、いうことは
【花屋さん側の事情】を知っておいて
【花屋さんが助かるように】注文することには
とっても意味があるのです。

=サービスしてもらえやすい
=いい品物を用意してもらえやすい からです。
メリットしかない!!


これは、あなた側の希望を優先しない、二の次にする、ということではありません。

もちろん、あなた側の希望も しっかり、バッチリ、通しましょう!

つまり、あなたも、花屋さんも
両方嬉しくてバッチリ!!
もちろん先生も子どもたちも嬉しい!!
みんなが嬉しい卒業式になるためです。

それでは、花屋さんにはどんな事情があり
どう注文すれば、あなたの希望がバッチリ叶って
みんなが嬉しいお花になるのか?
詳しく見ていきましょう。

    

  

★事情その①:花屋さんには「花束を作る時間」が必要です


3月の花屋さんは、基本、忙しいです。

特に、幼稚園や学校の卒業式というのは「日が重なります」し

会社の多い地域では、
「送別デーがどこも3月最後の金曜日」とかだったり

3月には、「春のお彼岸」もあるため
春分の日前後はお供えのお花でも忙しいです。


=この時期は花を買う人が増えるため
花屋さんは混んでいる場合が多いです。


いきなり花屋さんに行っても

長蛇の列で1時間2時間待ったり
「もう花がありません」なんてことも、普通にあり得ます。

1時間2時間待つ、と聞いて

「ええ? そんなに待つものなの??」

と思うかもしれませんので 
ちょっと考えてみましょう(・ω・)/

      

花屋さんが、オーダーを受けて花束を作る場合
お客さまとの最初の会話から込みで 10~15分くらいです。
お彼岸でお供え用の場合も同じです。

(作る人によります、もっと早い人も、もっとかかる人もいます)

アレンジメントの場合は、作る手間がもう少しかかるので
20~30分くらいかかるかもしれません。

(こちらも作る人によって もっと早い事も、かかる事もあります)

        

お客さんがあなたの前に2人いたら、
お店の人が1人だった場合
単純計算で、それだけで 30分~1時間待ちます。(15分~30分×2人)

さらに!

クラスやサークルの人数分「数」が必要な場合に
いきなり頼みに行くと・・・

たとえ、他に誰もお客さんがいなかったとしても
1時間以上かかる可能性が高いです。

なぜかというと
たとえ、1輪だけを包むギフトであっても

長さカット
→水をつける
→ラッピングペーパーをカットしてつける
→セロハンをカットして巻く
→リボンをカットして縛る

という一連の作業が 1つごとにかかります。

手の超~!早い 
プロフェッショナルなスタッフでも
「1束1分」かかります。

通常は、1束3分ほどかかるでしょう。
  

間を取って 1束2分としても
2分×30束としたら=「60分」かかります。

これが、500円のミニ花束×30個の場合
1束2分じゃ終わりません。
1束5分として 5分×30個 =「150分」(2時間半!)

    

よくよく考えてみれば
単純計算ですから分かると思うのですが

なぜか 
「30束10分くらいでできるもの」 と思って
いきなりご来店される方も多いのですよ^^; 

     

ただ、この
「5分×30束=150分」というのは
「作る花屋のスタッフが1人の場合」ですから

2人・3人で作ってくれれば 
半分くらいの時間で作れます。

でも、それも、「いきなり行く」と
スタッフの人数が足りない!! ので無理です。

この「時間が足りない」「時間がかかる」を
解決してくれるのが…

予約をしておくこと。

予約さえしておけば、
あらかじめ、予約時間に間に合うように
スタッフを増やし、花束を作ってくれます。

あらかじめ、
「混んでいるかもしれない」とか
「花束を作るには時間がかかるよね?」って
考えてみること、とっても大事です!

  

    

★事情その②:花を用意するためには「花の仕入れ」が必要です

「花がなくて、作れません」 なんてことあるの?

って思うかもしれません。が、普通にありえます。

だって、1クラス分としたって
「同じ花を40個、1本ずつ包んでください」ですよ。

1学年分とくれば
「30本ずつ色違いで5種類、計150本ください」となります。


ふつうの規模の花屋さんは
そんなにたくさんのお花を仕入れていません。

いや、正確には、
直前の仕入れで、そのくらいは仕入れている場合もあるでしょうが
「あなた1人のために、それを全部使うことはできません」。

あなたから注文があった時点で
もう売ってしまって残っていない、数が揃わない可能性が
めちゃくちゃ高いです。

花屋さんが、こうした、大量注文の花を揃えるためには
当たり前のようではありますが
「仕入れをして花を買ってくる」必要があります。

花を仕入れる時間 も必要なんです。

  

では、どのくらい前に注文すれば間に合うのでしょう?

花の市場は、毎日では、ありません。
地域によりますが、切り花は週に2~3回
という場合が多いです。

これはどういうことかというと。

切り花の仕入れ日程が、月曜日の次は金曜日、という場合
あなたから月曜の昼に注文を受けたら
どんなに早くても、用意できるのは金曜の夕方です。
このケースで、足掛け5日かかっています。

(市場は早朝なので、昼だともう終わっています)
(花は仕入れてすぐには使えません。
 水を吸っていないので、水を吸わせてシャキンとさせたあとに
 花束を作る時間も必要です。
 お店に花を持ち帰ってから3~4時間はかかります)

ですから、3日前とかの注文では
間に合わないんです。
事実です。

最悪でも1週間前までに 頼む必要があります。
ラッピング資材も同色で揃えることを考えると
2週間前までには 注文を済ませておくのが理想です。

 

   

 



★低予算で満足の仕上がりになるコツ

これで「注文する時期」は分かりました。
次に、「あなたの希望を叶えるコツ」を見ていきましょう。

卒業式や卒園式の場合、
1つ100円~数百円の低予算で
数がたくさん必要ですよね?

ところが、花屋さんのお花というものは
意外と、高額です。

通常、花屋さんでの価格は
ガーベラは 1本150~200円
チューリップは 1本150~400円 くらいします。

1つ100円で、となると
このような、ハッキリ大輪の花は難しくなってしまいます;

でも、小さい花だと パッとしませんよね;
「大輪の花を持たせてあげたい!」
「無理なのかな???」


いえいえ、頼み方しだいで、可能です。

その頼み方のコツとは・・・
【色や種類の指定をしないこと】

 

「ええっ? クラスごとに色を変えたいのに」
「男の子と女の子は色を変えたいのに」

って思うかもしれませんね。

大丈夫。ちゃんと叶います。
「言い方」の問題なんです。

   

花は、生き物です。
市場に出荷される花は、農作物です。
その日にどの花が出荷できるのかは
お花次第、お天気次第です。
人間には確定することはできません。

 ↑
ここ、ものすごく重要ですよ!

あなたが「この花この色」と言った花が
仕入の日に咲くかどうか
誰にも分かりません。

たくさん採れれば安く買えますが
採れなかった場合は?
そもそも出荷されない=買えないこともありますし
出荷がとても少ないと、めっちゃ価格が吊り上がります。

このときに「赤いチューリップ」のように指定していると
それでも仕入れることになり
→1本500円とかにお値段が跳ね上がる可能性があります。

そこで、「指定」ではなく
もっと「ゆるやかな希望」を伝えましょう。

あなたが欲しいのは、
ほんとうに「赤いチューリップ」でしょうか?

違いますよね?

   

「クラスのみんながお揃いで」
「各クラス違うお花(色)で」
「できれば花1本じゃなくて何か添えられたらいいな」

というようなことを願っていませんか?

だったら、その「こんな状況になってほしい」という願望イメージを
そのまま、花屋さんに伝えてください。

    

「クラスのみんながお揃いで」
「各クラス違うお花(色)で」
「できれば花1本じゃなくて何か添えられたらいいな」

ここに、花の種類や色の指定は 入っていません よね?
これでいいんです。
これがいいんです。

    

もし、花屋さんが
「どんな花をご希望ですか?」と聞いたとしても
花の種類や色をあなたが指定する必要はありません。

「指定しない」から
当日、その日の花の市場に出荷された中から
いちばんお買い得で
いちばん品質もよくて
いちばん可愛い! 花を
花屋さんは仕入れればいいからです。



お花の仕入れ単位は、だいたい50本でひと箱なので
そういう「その日にいちばん良い花」を
クラス数分買ってくれます。

そうすると、ヒマワリ組とレンゲ組で
花の種類は違うかもしれませんが
(赤いチューリップと 黄色のガーベラ、のように)

「理想像」を叶えるのに、そこ、べつに重要じゃありませんよね?

メインのお花を安く仕入れることができたから、と
かすみそうやグリーンを添えてもらえるかもしれません。

     

お花は、その日の時価。
何がその日にあるかも分からない。
お寿司屋さんのネタと同様です。

だからこそ、「その日に良いものを、おまかせ」したほうが
良いものを安く受け取ることができます。

      

花の種類や色を指定しなくても

「クラスのみんながお揃いで」
「各クラス違うお花(色)で」
「できれば花1本じゃなくて何か添えられたらいいな」

↑これは 叶えることができますよね?

【あなたが一番叶えたい画像】を 花屋さんには伝えましょう。
花の種類や色の指定は なるべく避けたほうが良いです。


「クラスは同じもので揃える」
「クラスごとに違うもの」 で、
ちゃんとクラス内は揃って
クラスごとに違う色や違う花になります。

     

希望を出したい場合は
第1希望:チューリップ
第2希望:ガーベラ
第3希望:大輪の花なら何でも のように緩くしておくと良いです。

「赤系・ピンク系・黄色系・オレンジ系などクラスで色を分けてください」とか。

細かく「赤いチューリップ」「黄色のガーベラ」という指定はしないほうがいいです。
↑その日に出荷があるかどうか分かりません!

チューリップやガーベラ以外にもお花はあります。
普段はもっとお高い、バラやラナンキュラスが安く入荷できるかもしれません。
↑「おまかせ」しておくからこそ 上級花が手に入るかもしれないんです。

時価で何があるか分からないからこそ、

種類や色の指定はしない。
欲しいシチュエーション、イメージ画像のみをしっかり伝える

これを忘れないでくださいね。

 

 

★色の希望について補足

なお、特に注意が必要なのが 希望色の伝え方。

希望の色は、色のパターンだけを伝えましょう。
「ピンク系25個と黄色系を26個」
「チームカラーがブルーだからどこかにブルーを入れて」
のように。

希望色がピンクの場合は、「ピンクの花を入れて」ではなく!
「ピンク系にしてください」
「どこかにピンクを入れてください」
と言いましょう。

この言い方なら、たとえ当日ピンクの花がなくても
ピンクのペーパーやリボンを使って「全体をピンクっぽく」してくれます。

【特に「青」は注意!!】
「青い花」は、地球上の存在数が 絶対的に めちゃ少ない です!

「青い花で」「青い花を入れて」と言ってしまうと
最悪、花が用意できず、花がなくなります。 

だから

「どこかに青を入れてください」
「青っぽくなると嬉しいです」

のような頼み方をします。

「青い花」ではなく
「全体的に青っぽく」という頼み方をするんです。

そうすれば
青い花の入荷がなくても
紫や白の花を入荷したり
青いラッピングやリボンを使う、などして「全体を青っぽく」してくれます。

=「見た目が青っぽくなります」。 
   
「青くしたい」と思う場合

これが重要なのではないでしょうか?

     

ニュアンスの違い、と言えばそうなんですが…

花屋さんにとっては
「青い花」と指定されたのと
「できあがりが青っぽければよい」のとでは
天と地ほどに違うんです。

  ↑覚えておくとよい「業界人の感覚」

だから 色の希望は
「どこかに●色を入れてください」
「●色っぽくなると嬉しいです」

という言い方にします。

「●色の花」 が重要なのか
「全体の見た目が●色」 なことが重要なのか
「どこを重要視するのか」を伝えましょう。

(たいていの場合は、「全体の見た目が●色っぽいこと」だと思います)

 

 

★数百円程度の「小さな花束」を希望する場合

一輪のときは無理ですが、500円~の花束のときは
「ボリュームを重視するのか」「花の質を重視するのか」も伝えると良いでしょう。

「なるべくボリュームが出るように」と頼めば
お安い花でボリュームを出してくれます。

「1本+ちょろっととかでもいいので良い花を使って」と頼めば
「バラ+グリーン」になるかもしれません。

「どんな仕上がり図を望んでいるのか」
あなたが望んでいる仕上がりの脳内イメージを伝えましょう。

 

 

★花が必要な日時を伝える

「使うのは 何日の何時なのか」
「何時までにどこにあれば間に合うのか」といった
細かいスケジュールをしっかり伝えたほうがいいです。

  ↑
花屋さんが当日のスケジュールを知らないと、
最悪「間に合わない」ことがあります!

とにかく 細かいことまで 情報をしっかり伝えることが大事です。

花屋さんは、あなたではないので
あなたが想像しているイメージ図と同じものを描けていません。

あなたが望む当日のイメージ図を
細かい部分までできる限り言葉にして 
花屋さんに伝えましょう。


このとき、仕入れ日や 花の出荷状況といった
「花屋さんの状況を考えた言い方をしておく」と
賢く花を買うことができます!

細かいこともすべて! 花屋さんに
「1週間以上前、できれば2週間前までに相談する」のが コツですよ!

   ↑
あらかじめ伝えておかないと 
配達に行く「人」の手配もできませんからね!

「あなたの注文の花を準備する時間」を
花屋さんにあげてください!

  

   

★まとめ 卒業式・卒園式の花束 かしこい頼み方


<タイムリミット>

●遅くとも、必要な日の1週間前までに(できれば2週間前までに)注文する

<花屋さんに伝える内容>

●1・受け取りたい日時と 実際に使う日時

●2・1束の予算 × 必要数

●3・渡すシチュエーション
   (サークルの卒業生に渡して集合写真を撮る、
    園児が先生に渡す、などそのまま伝える)

●4・花を受け取る人の年代と性別

5●・希望の色系統があれば「●色を入れて」「クラスごとに色を変えて」くらいに緩く伝える
★花の色、花の種類の指定は「しない」

以上、お花屋さんにしか分からない
「こう頼んでもらえれば いい花がちゃんと納品できる!」
花屋さんにとってありがたい
素敵な卒業式・卒園式のお手伝いを叶えられる「注文方法」でした。

どうぞ、この「花の頼み方」を活用して

心に残る 卒業式・卒園式に なりますように!

   

*先生に渡す贈呈花など、もう少しまとまった金額で
 ちゃんとした「花束」を贈りたいときのコツは
 別途、記事にまとめますね。

   

 

わたし、本多るみは こんな活動をしています^^

季節の花が見たくなる^^
お花の話・扱い方・飾るコツ 子どもとの話etc『花のあるおうちになるメルマガ』(無料)

 


 

 

タイトルとURLをコピーしました