理科自由研究 るみ流おすすめの取り組み方

ちょっと真面目に、夏休みの宿題の定番 理科の自由研究について
課題としての「自由研究」の本質から見る「課題のやり方」
わたしの視点で 解説したいと思います。

このページは 自分で自由研究に取り組む中学生・高校生
または親御さん向けです。

自由研究は面倒!早く終わらせたい、でもなるべく高評価にしたい

って思っているあなたへ。
まあ面倒くさいですよね^^; 早く終わらせたい、できれば評価が良いほうがいい
ってみんな思ってると思います。

私見ですが、理系人間からの 自由研究に取り組むうえでの心構えのようなものをお話します。

   

  

そもそも、「理科自由研究」とは? 

ジャンル「理科」 の 題材が「自由」な 「研究」ですよね?

・「理科」=「毎日の生活の中にある科学」 
・テーマは「自由」
・「研究」なので、「自分で観察や実験をして」「検証」する

これが前提になります。

ここで大事になるのが

・日々の生活の中にある科学に「気づいて」 
・自分が興味を持ったその「気づいたこと(疑問)」を 
・観察、実験して検証し、意見をまとめる 

ということ。

「わたしは、日々の暮らしの中で あれっ、これどうしてだろう?と思いました」
「そこで、どうしてなのか 調べてみることにしました」
「こんなことが分かりました、○○○なのだと思いました」

 ↑↑ これが自由研究の基本形です ↑↑

 

と、いうことは…

× 題材がすんごいことである必要 なし
× 教科書で習った内容に合致している必要 なし
× すんごい世紀の大発見!がある必要 なし

それよりも

○毎日の暮らしの中で 不思議だな、と思う事柄を見つけた!(発見した!)
○どうしてなのか、調べてみた、観察してみた、実験してみた(やってみた!)
○こんなことが分かった!おもしろい!もっと知りたい!(次の興味)

 ↑↑ 大事なのはココ!! ↑↑

   

つまり、一番ダメなのが

×「コレが教科書の指導内容題材だ、コレをネタにすべし」をマネ
×資料を写す 
×結果を写す

↑↑自分で身の周りにある科学に目を向けて「発見」していない
↑↑自分でやっていない
↑↑自分の体験による感動・次への興味がない

オールNGです TnT

  

  

自由研究で大事になるポイント

じゃあどうやって「自由研究」を終わらせればいいの??


自由研究のポイントはこちら!

○毎日の暮らしの中で 不思議だな、と思う事柄を見つけた!(発見した!)
「わたしは、日々の暮らしの中で あれっ、これどうしてだろう?と思いました」

○どうしてなのか、調べてみた、観察してみた、実験してみた(やってみた!)
「そこで、どうしてなのか 調べてみることにしました」

○こんなことが分かった!おもしろい!もっと知りたい!(次の興味)
「こんなことが分かりました、○○○なのだと思いました」

これをもとに、大事な部分をおさえておきましょう。

 

ネット検索して出るテーマは「みんながやる」

あーもう、自由研究どうすればいいの!? と思ってインターネットで検索すれば
塾や家庭教材等の会社が提供する たくさんの
「自由研究コレをこうやればOK!!」という、
題材から実験方法に結果考察まで詳しく案内してくれているページが見つかります!

これをコピペして提出すると「提出しました」という段階はクリアすることができますが。
が。
このくらいは先生も検索してチェック済でしょうし なにより
みんながやるから みんな同じテーマで
みんな同じ写真に みんな同じコメント… だと

丸写ししたことが 丸わかり なのです。

確かに「提出」はできましたが
先生の心象評価は ゼロより下がる可能性すらあります TnT

「自分で不思議発見!!もしていないし」
「自分で確かめもしていないし」
「自分の感想や意見もない」からです TnT

そもそも、
文章や写真のコピペ(丸写し)は
著作権法違反という
法律違反をしています

(書いた人による親告罪なので 宿題としての提出の場合は
 実際には告訴されることはないと思われますが
 モラルとしても、学ぶという目的からも、褒められることではありません)

やめましょう TnT

 

 

 

みんなと同じテーマでも評価がつくコツは 「必ず 自分でやる」

自由研究は「研究」です。
面倒くさくても、丸写しでは評価はつきません。

「自分で不思議を見つけた!!」
「自分で確かめてみた!!」
「感想・意見」

これが基本ですから、なるべくこの3か条が書けるようにしていきましょう。

「自分で不思議を見つけた!!」が難しくても(じつは一番難しい;)

「自分で確かめてみた!!」
「感想・意見」 はできます。

検索して調べた題材でも、
調べた実験方法そのままでもかまいません。

必ず「自分で」同じ実験を「やってみましょう」。

自分で実験をやることで
自分で写真を撮ることができます。

自分の家で自分でやった! と分かるような写真を撮ることで
「自分でしっかりと実験をしました」と先生に伝わります。

自分で実験をすることで 少なくとも
コピペ文ではない「自分の言葉で、自分が本当に思ったこと」が書けるようになります。
カッコつける必要はありません。
すなおに「思ったこと、感じたこと、不思議だったこと、うまくできなかったこと」
で良いので「自分でやったからこそ書くことができる内容」を書きましょう。

こうすることで、検索して見つけた、
他の人と同じ題材・同じやり方の自由研究であっても
ちゃんと「自分でやってみて」「自分の思いを述べる」ことで
普通以上の評価はつくのではないでしょうか。

 

 

「観察」より「実験」のほうが早く終わるのでラク

ちなみに、「観察」と「実験」のどちらがラクで早く終わるか?
といったら、おそらく「実験」のほうが早く終わります。

もちろんこれは「どのような」観察・実験をするか? といった
ふしぎ解明の方法を考える段階で 変わってきますので
ひとくちに「観察」「実験」どっちが早く終わる、とは言えませんが

「観察」は少なくとも数時間、
長ければ数か月や数年、観察します。

これに対して「実験」は、
シンプルな一手順だけのものであれば
数分で終えることができます。

 

「自由研究を早く終わらせたい」のであれば、「観察」よりも「実験して確認するだけ」の
インターネットで検索して実験手順がすぐ調べられる題材を選ぶと早く終えることができます。
(検索しておすすめに出てくる実験は「既に分かっていることを確認するだけ」の題材が多いです)

 

   

 

 

研究の成果はそんなにすぐには出ないのが当たり前!

 分かりやすく「成果」が出る研究は、
星の数ほど行われている研究のうちのほんの一握りだけです。
「ふつう、そんな分かりやすい世紀の発見!!的な成果は出ない」と思って。

分かりやすい大発見になったらニュースになります。
そんなニュースは滅多にないですよね? 

分かりやすい結果や 大発見! が最後に出てくるもの「ではない」です。

「今回の自分の観察や実験において」の結果を記録して
「こういうことなんじゃないか」と推理してみたり
「ビックリした、不思議だった、今度はココを調べたい」といった
あなた自身の心の動きや次への意欲といった
「あなたが今回学んだこと」を書くことが大切です!

  

    

  

高評価で表彰されるような自由研究ってどんなもの?

ちなみに… あくまでも参考ですが、
「表彰されるような自由研究」とはどんなものなのか? を紹介しておきますね。

近年では 2021年に【カブトムシはじつは夜行性ではない!昼に活動する虫】
という世紀の大発見!になった小学生の自由研究がありました。
昆虫研究者もビックリ!!のものです。
彼の研究は 研究者の手によって生態学の権威的雑誌にも掲載され大きなニュースになりました。

【新発見】小6自由研究が論文に…世界の研究者賞賛
埼玉県に住む小学校6年生の柴田亮君、12歳。 彼のすごいところは、手先の器用なカードマジック! ではなくて… 実は亮君、カブトムシの「常識」を覆す新発見をした、カブトムシ研究者なんです。 亮君の研究は、なんとアメリカの権威ある生態学の雑誌に...
テレビ朝日
神戸新聞NEXT|連載・特集|話題|「彼の自由研究はすでに科学論文」“カブトムシは夜行性”の常識覆した小6男子、共同研究の大学講師も脱帽
神戸新聞

 

数年かけて、深夜も毎日観察・記録をする 家族の協力
詳しく知っていそうな研究者に連絡を取りアドバイスをもらう
観察のしかた、記録のしかたが本格的な学術論文に採用できるレベル
何年も興味を持ち続け、観察・記録し続けた

ご家族が 子どもにそれだけのアドバイスができる方であることも大きいですし
ほんとうにカブトムシが大好きなんでしょうね。

 
さかなクンのお母さんの話も有名ですね。
(毎日タコ料理を作り続けてくれた、
 学校の先生に「この子はこれでいいんだ」と力説してくれた等)

 

「すごい結果」が出せる子どもの自由研究というのは
家庭環境が 良い意味で「ふつうじゃない」です。
しかるべき周囲の大人がいて。
その中で育った子がいて。というのが基盤にあります。
支える専門知識のある大人がいることも大きいです。

「ふつう」は ここまでの興味を既に持って・・・いないですし
専門家に自分の疑問やこれまでの研究を送る、という行動もなかなかできませんよね;

なので、↑↑こういう「すごい事をしなくちゃいけない」ということは、
「ふつうの学校の宿題」レベルでは、ありません。

なので もっと気楽に取り組んでいいんです。

「すごい発見になる研究」ってこうなんです。
数年以上かかるし、専門知識のある人が支えています。
ここまでのことは宿題レベルでは求められることはありませんから安心してください。

 

もちろん、
ものすごく1つのジャンルに興味がある!なら
調べていて「この人が第一人者だな」という人がいたら
今はSNSでもコンタクトが取れる時代になりました。
メッセージを送って自分のこれまでの研究成果を送ったり
家族に支えてもらって大きな観察・実験に取り組むのもとても素晴らしいことです!

 

  

 

テーマの選び方

 「すごい話」をしたら なんだかすごいテーマじゃないといけない気がしてきていまいますが;

話を「ふつうの宿題」レベルに戻して、
「自由研究のテーマ」をどう決めようか? 考えてみましょう。

 

毎日の生活の中での「不思議」の見つけ方

・「お母さんが料理をするのを見て(自分が料理を手伝って)不思議だった」
・「お風呂に入っていて これが不思議だなと思った」
・「子どもの頃この川で魚やカニをよく採ったけど、今は少ない、なぜだろう」

というように 「気づく」ことって、何かしらは「ある」と思います。
おそらく、難しいのは この「不思議に思ったこと」が
「理科的に言ったらどのジャンルなのか」が分からないということ。
それが分からないから困ってしまうのでは?

ここにこそ、「検索」を使うと良いです!
インターネットで「不思議に思った事象」の単語を検索すれば
それがどんな現象によって起こるものなのかは すぐに分かります!

その現象が、「今年習った内容」に添うかどうかなんて、どうでもいいです!
学習要綱にある内容かどうか、かなんて 子供に分からなくて当たり前。
むしろ学習要綱と同じだったら「塾や通信教育の提示したもの」っぽいですよね。

「自分で気が付いた!」「わっ、これ不思議じゃん!」っていう事柄が
バッチリ今年の指導内容に沿っている、なんていうことのほうが奇跡です。

「ちゃんと自分で見つけたんだな」っていうことは、
熱心な先生ほど「あなたの自由研究を見れば分かります」
そんなことは気にせずに題材にしましょう!

 

確認のしかたはどうすればいい?(どう観察や実験をすれば確認できるのか)

オリジナルテーマでの自由研究が難しいのは ここも分からないからです!
「何を」すれば検証できるのか 分からない!
=やりようがない!!

この点、疑問に思ったことを「観察する」というのは
長時間・長期間に及ぶので「面倒くさい」というデメリットはありますが
「観察を続けること」がそのまま「検証方法」なので「実行しやすさ」はあります。

これも、「検索」を活用しましょう!

さきほど、検索して 不思議に思ったことが 理科的にどういう仕組みのことなのか分かった
ところまで行きましたよね?

そこで今度はその事象を確認する「実験」はないか?を検索します。
「事象名」「実験」「簡単」のようにキーワードを入れると良いでしょう。

 

(例)
夏休み前、母が「赤紫蘇ジュース」を作りました。
赤紫蘇を煮た黒っぽい液体に酢を入れた途端に、真っ赤に変わりビックリしました!

検索:「酢」「赤紫蘇」「赤くなる」→
事象:植物色素フラボノイド色素の1つ、アントシアニンが、酸性になることで赤系統の発色をした

次に、実験方法を調べてみます。

検索:「酸性」「赤」「実験」→
リトマス紙で酸性アルカリ性を調べるのが小学6年生
酸性液は電気を通す、金属に触れると水素を出す=中学3年生で学ぶ、ということも出てきました!
(あなたの学年が何年生でも気にせずやりましょう、内容だけ参考にするといいです)
  
アントシアニン色素の実験 ①赤紫蘇液に いろいろな調味料を入れる 
②紫キャベツでもできる。調味料で酸性度を変えて茹で卵や麺を染める「魔女メニュー」がある

そうしたら今度はさらに「赤紫蘇 酸性アルカリ性 実験」とか
「魔女 紫キャベツ レシピ」 などで検索すると細かい実験方法が分かります!
調味料や家庭にある生活用品の酸性度も検索すれば分かるので結果の予測がしやすいです。
もちろん、基本的な結果がどうなるのかも分かります。

我が家の子どもたちのあそび紹介「魔女の焼きそば」=紫キャベツによる実験 面白かったですよ!

 

これで実験計画が立てられますね^^


ビバ・インターネット!
インターネット素晴らしい!!


わたしが子どもの頃はこんな便利なことできませんでしたから
図書館で実験の本をあさるか、「観察し続ける」しかありませんでした
なんて便利なんでしょう TnT
みなさんが羨ましいです!! (本気)

我が家の子どもたちの「花あそび」(この写真のオシロイバナはアントシアニン色素ではなかったので色が変わりませんでした!)

理科に興味が持てない、という女の子 いるかな?
「花」も「料理」も =理科
だから
ここに載せた写真みたいに「花」や「料理」から入ってみるのはどうかな?

 

 

 

 

構成のしかた(自由研究レポートの書き方)

基本的な構成はこちら

①テーマ 
②興味を持ったきっかけ 
③テスト方法 
④実験・観察する 
⑤結果(写真や表、グラフ) 
⑥考察 
⑦感想や今後の展望 
⑧参考文献

 

 

実験をする時は必ず「何もしない(ゼロベース)」サンプルを用意しておく

テスト方法を考えるときは必ず
「何もしない」ゼロベース・基準になるサンプルを1つ用意しておく。


そして、「1つの要素だけ」を変えたテストを行う。
こうすることで、「変化したときの要因が簡単に特定できる」

 

「結果」「考察」「感想」は違うことを書くんだよ。

⑤結果、⑥考察、⑦感想 をいっしょくたにしてしまいがちなんですが
この3つは別のこと。 

「結果」は淡々と結果の数値や現象のみを書く。
「考察」もその要因と考えられる事象のみを事務的に書く。

最後の「感想」にはじめて、自分の「考え」や「気づき」、
今後もっとこういう実験をしてみたい、
こんな所に気をつけて生活していきたい、といった「今後の展望」を書きます。

 

小学生以下のお子さんをお持ちの保護者の方へ

ここを読んでいる、小さいお子さんのお父さん・お母さん、おじいちゃんおばあちゃんがいらしたら。お伝えしておきたいことがあります。

お子さんが大きくなって、小学校高学年からはじまる「自由研究」に取り組むとき
大事になるのは お子さん自身に


「これどうしてだろう?不思議だなあ!」という
【不思議を発見できるセンサー】が敏感なこと

「知りたいなあ!」と

【ワクワク実験や観察をしたい!と思える知りたい心】があること


これ、本来
小さい子どもなら誰にでも備わっているすばらしい「神様からの贈り物」です!

どうか、お子さんのこの
【不思議はっけんセンサー】と【知りたい!ワクワク心】を大事にしてあげてください。

子どもが動き出したら、生後3カ月にはもう始まっている!とわたしは思っています。

小さい子が「これは何?」「どうして?」「どうなってるんだろう??」
「興味を持った、知りたいと思った」ということそのものを
「よく気が付いたね、よく見つけたね、不思議だね」と
着眼点を褒め、不思議さに共感してあげてください。

正解を親が出す必要はないと思っています。
(答えを親が教えてあげる必要はない)


「よく気が付いたね、よく見つけたね、不思議だね」と
「見つけたことを褒めてもらえ」
「不思議だねえ!ビックリだねえ!」と「共感」がもらえれば
それでいいと思っています。

自然界の事象の不思議発見に気づく、っていうことは
要するに、ただ「たくさん一緒におさんぽして、子どもの発言に耳を傾ける」
それだけで良いと思っています。

お子さんの首が据わったら、どうぞ
抱っこで、おんぶで、手を引いて
「おこさんのつぶやきを聞き逃さないように」
親子のおさんぽ時間を楽しんでくださいね。

子どもが世界に驚嘆する表情はほんとうに、見ているだけで嬉しくなるものです。
可愛らしい、世界に対する子どもの発言を、どうか聞き逃さないでください。
8歳くらいまでの期間限定の時間は 親へのプレゼントだと思っています。

あなたが「いま限定の親子の宝物の時間」を、味わうことができますように。

このブログ+旧ブログでは
わたしが子どもたちと見つけてきた「ワクワク」を
できるだけたくさん紹介しています。
どうぞ参考にしてもらえたら嬉しいです^^


(旧ブログは16年分ありものすごく時間がかかりそうですが;順次こちらに記事を引っ越したいです;)

 

 

 


 

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