仏花をおしゃれに変身~センス良く/洋風/豪華に

典型的なお墓用のお供え花「仏花」がどうも苦手だ、気に入らない、というかハッキリ言って嫌い。
という方は多いのではないでしょうか。
そんな、オシャレ・センス良い!なんて言葉とはほど遠い印象の「仏花」をもっとおしゃれに、ハイセンスに仕立てるコツを もと花屋店長が教えちゃいます!

そもそも「仏花」とは何か?

「仏花」とは「ぶっか」と読み、お墓に供える花のことを言います。
「供花」「メモリアルフラワー」と呼ぶ店もあります。

が。

が!!

仏花の話に入る前に まず、大前提として。
「お墓に何を供えるか」からして、じつは、全国でものすごく大きな違いがあります。

そもそも、「花を供えない」地域もあるんです。(その地域には「仏花」は存在しない!)

「お墓に花を供える地域」であっても、
どんな植物を どのように備えるか? は 各地域でまったく異なります!

榊・しきみ・ひさかき(びしゃこ)と仏花の関連を旧ブログのこちらの記事に書いたとき
いろいろな地方の方がコメントくださっていて、たいへん勉強になります!

榊・ひさかき・びしゃこ の違いは?| ├ 自宅用の花の疑問
榊・ひさかき・びしゃこ の違いは?

 

なので。
あなたが、あなたが花を供えたいお墓に 何を持って行ったらいいのか?
悩むときは
●地域の慣習は、そのお墓のある地域のご年配の方や
 地域に古くからある花屋さんなど商店の方に教えてもらいましょう。

ただ、「お仏壇やお墓に供える花」は
「故人に直接供える花」ですから
●「故人がお好きだった花」が いちばんです。

慣習的に「タブー」「NG」な花であっても
故人が大好きだった花! があるのなら
故人がお好きだった花を持って行くのが良いと、ワタシは思います。

「故人の親族に贈る花(ご進物)」の場合と違って
「故人に直接手向ける花」だからです。

たとえば、基本的にバラの花はお供えの花全般で「NG」「タブー」な花。
このマナーで言えば、「赤いバラ」なんて最低最悪の花になってしまいます。

でも!
故人が 赤いバラの花が大好きだったなら
赤いバラの花を持って行くのがいちばん喜ぶと思いませんか?

このあたりは ケースバイケースです。

臨機応変に。としか言えないのですが・・・
「故人に直接」手向ける お仏壇・お墓の花「だからこそ」
故人の好きな花 を最優先にして良いでしょう。

  →参考:親族など「故人以外」の「好みを知らない相手」に
   ご進物として贈る場合は
   基本的マナー・慣習のほうを優先しましょう

冠婚葬祭マナー 弔事・お供えの花
困った!!どうしたらいいの!? そんな弔事のお花のギモンを解決! 花の冠婚葬祭マナーがこれでわかります!

 

このページでは、神奈川県(東京近郊)の場合についてお話します。
ワタシが生まれも育ちも現在も、神奈川県でして
神奈川以外のことはサッパリ分からないからです^^;

しかし神奈川県は 東京の隣ですから
「東京近郊」での参考にはなるかと思いますので載せておきますね。

いちおう、ワタクシは「花屋」歴11年
おうち花教え歴それ以上ありますので
県内の、働いた街住んだ街の仏花の視察はずっと行っていますのでご安心ください。

 

 

東京近郊「仏花」の基本

お墓や仏壇には 左右2つ、花を活ける場所があり
この「2カ所に」「仏花」を飾るのが基本です。
「2つで1ペア」=「1対(いっつい)」と呼びます。

基本的にお店では「1束」で販売されているので
「対」でほしいときは「2束」買います。
販売単位が1束単位で、対ではないのは
「1束」で買いたいお客さんも多いからじゃないかな?

・すでにある花がもったいないから1つでいい
・そもそも、飾るところが1つだから1つでいい
・お墓には何人も来るから花がダブるから1つでいい
 などなど
みなさん「1束でいい理由」もそれぞれです。

 

「仏花」は、「榊」と同じ「ひし形」
奇数(3・5・7本)
の花を組み上げ
おおよそ60cmの長さにまとめるのが基本形。
 (*関東での榊は「ヒサカキ」ですが神棚用など神事に使います)

昔の記事ですがこちらも参考にどうぞ。(↓仏花と榊の基本)

仏花・榊とは何か??
花屋さんやお墓・スーパーで売ってる「仏花」や「榊」って結局何??

   

花の種類は、暑さや乾燥に強く、水が切れても見た目の変わりにくい
「菊類」「カーネーション」「スターチス」
「けいとう」「りんどう」「ユリ」
 が多く使われます。

奇数の 3本・5本・7本 のほか、「4本」の場合もあります。

神奈川県での配色は「ハデ派手」
 + 黄色 + 青・紫 + 赤・オレンジ + 濃ピンク

の5色・5本

こんな感じが、神奈川県の基本の仏花 1束になります。
(「対」でほしいときは「2つ買います」)

ワタクシのように見慣れてきますと、「これはこれで 可愛いじゃない」
なんて愛着も出てくるのですが
一般的には「菊とカーネーションとスターチス」の定番組合せは
まあ、お花としては、全般的に あまり好まれません^^;

そこで、このような仏花を
「ちょっとイメチェンしてみたい」
「これは気に入らないから自分で花を選びたい」

というときに おすすめのポイントを 伝授しちゃいますね。^^ 

 

 

これは簡単! 束をばらして、色数を減らす <2色(+白)まで>

仏花が「なんか変」「ケバケバしい」と感じてしまうのは
系統の違う色を混ぜすぎているからです。


わざと違う色を混ぜているので当然なのですが
この「違う色を混ぜすぎ」なのがケバい原因ですから
色数を減らすとスッキリ見えます。


仏花1つだけだと ちょっと難しいので
仏花1つに加え、もう1つ、束の花を買うとやりやすいです。

ちょっとイメージしずらいと思うので、実例を出しますね。


仏花1個 +ブルーのりんどうだけの束を買い足しました。
そして、いったん束を2つともバラバラにします。
それから
「りんどう+ピンク」「りんどう+黄色」の組み合わせに分けるとこうなります。

ここでは、明るいピンクのカーネーションが
どちらと合わせてもちょっと浮いてしまうため 省きました。
白い花(白菊)は ピンク系 黄色系のどちらに入れてもOKです^^

はずしたピンクのカーネーションは
ピンクのカーネーションだけで別の場所に飾ると良いです。

「束で買った花はそのまま飾らなくてはならない」

と思ってしまうことが多いようですが
そんなことはありません。
いったんバラバラにして、好きな組み合わせに組み替えて構いません^^

いまの写真では りんどうを買い足していましたが
もともと りんどうが入った仏花ですので、仏花1束だけでも
「りんどう+ピンク」と「白と黄色の菊」 もしくは
「りんどう+黄色の菊」と「ピンクの菊2本」の組み合わせに分けることができますよ!

 


同じ戸外の環境に強い花種のまま、色を同系統に揃える

これはもう少し難しくなるので、少し慣れてからがおすすめですが
花の種類は基本の仏花に使う「丈夫な花」のままで
色系統を同一系に揃えて選ぶと 同じ花なのにグン!とセンス良く見えます。

基本のこちらの仏花は
「輪菊(大菊)2本」
「スプレーマム(枝咲きの西洋菊) 1本
「スプレーカーネーション(枝咲きカーネーション)1本」
紫の花に「スターチス」1本 を使っています。 
   (基本仏花束の売価めやす: 700~900円/束)

 

同じ
「輪菊2本」
「スプレーマム 1本」
「スプレーカーネーション 1本」
紫の花 1本 であっても

↓↓色が変わるとこうなります↓↓

・黄色の輪菊 → 赤紫の輪菊
・明るいピンクのカーネーション → 落ち着いたサーモンピンクのカーネーション
・スターチス → アスター

に変わっています。

「アスター」も、仏花によく使われる定番の花で 特別変わった花ではありません。
ここでは少し紫色を淡く変えましたが、そのままのスターチスでもいいと思います。
(バラ売り購入でのめやす:1000円前後)



ちょっと色を変えただけで、まったくイメージが違いますよね!
落ち着いたピンク系に揃えただけです。


色を「同系統に揃える」とは どういうことか?

仏花の色が「ケバい」のは、
ブルーベースの色と、イエローベースの色を 両方突っ込んでいるからです。

「ブルーベース・イエローベースの色」とは!
最近は、メイク用品や服選びでも 「ベースカラー」が知れ渡ってきたので
あなたもご存知かもしれません。

色は「赤・青・黄」を混ぜ、その色素の量と明るさ(光の量)を変えることで
さまざまな、世界にある色とりどりな色を作り出すことができますが
その色に 青みが多いのか、黄色みが多いのか で区別する方法です。

ここでいう「青み」というのは
青というより「マゼンタピンク」
「黄み」は「山吹イエロー」と考えると分かりやすいです。

こちらも、昔かいた記事がありますので参考にしてください。

色・いろ・Colorの話
花を選ぶ時に困る、色! せっかくだから、毎日のおしゃれにも役立っちゃう色の知識をおぼえよう!

 

 

少し豪華な仏花を作りたいときは

仏花を「もう少し豪華にしたい」
お盆や命日など「特別感を出したい」ときは
「ユリの花」や「グリーン・枝もの」を加えると豪華になります!

こちらは、花数は5本のままですが

・スカシユリ 2本
・スプレーマム 1本
・アスター 1本
・ナルコラン(ナルコユリ) 1本  

の組み合わせで スッキリまとめた仏花です。


特別感ありますよね!
ご進物としても使える豪華なお供えになりました。
   (単品購入金額めやす:1300~1400円/束)

 

ユリを1本減らして、
スプレーカーネーション(枝咲きのカーネーション)を代わりに入れたのがこちら。
ユリ2本よりも少し可愛らしい印象になりました。
   (単品購入金額めやす:1000~1200円/束)

このときも、
色系統を揃える(近似色・反対色のいずれかでベースカラーを揃える)と良いです^^

   色についてもっと知りたいときは
   「3分フラワーアレンジ入門」動画レッスンで詳し~く学ぶことができますよ。
   (色の話は第6章。全10章あり、色の話はごく一部です)

 

 


 

 

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