お盆といえば「ハスの花」ですが
もう少し早く7月下旬くらいから咲き始めます。
そもそも、「なんでお盆にはハスなの?」って思ってるかも。
そもそも「ハスの花」ってどんな花?~蓮・LOTUS
ハスは、ハス科ハス属ハス。インド生まれの花。
古代インダス文明(紀元前2600~1900年、今から4~5000年前)の頃から「神聖な花」と言われてきたようです。
日本でも紀元前から親しまれています。
(2000年前の花を咲かせた「大賀ハス」が有名ですね)
漢字で書くと「蓮」
英語は「LOTUS(ロータス)」
野菜の「蓮根」は、このハスの「地下茎」。
中華食材の「ハスの実」はこのハスの「実」です。
仏教の象徴的な花となっています。
最近赤ちゃんの命名で「蓮(れん)」人気ですね。
ロータスと言えば車…じゃなくて
ロータスクーポンてありましたね、ベルマークみたいな。
個人的にむかし「ロータスマーク」ってあった気がするんですが…
検索しても見つけることができず、わたしの夢だったのでしょうか??どなたかご存じありませんか「ロータスマーク」
ハス(蓮)とスイレン(睡蓮)はどう違うの?
ハスもスイレンも「蓮」の漢字がつきますが、植物としてはまったく違う系統の植物です。
スイレンは スイレン科スイレン属。 英語では Water lily
世界中の温帯~熱帯に広く分布します(東南アジア、アメリカ、ユーラシア、アフリカ、オーストラリアなど)
日本にもともとあったスイレンの仲間は「ヒツジグサ」のみ。
ほかは明治以降に入ってきた外来種のため、栽培するときは自然環境下に流出しないように注意する必要があります。
どちらも水面に顔を出す花なので、「同じに見える」「見分けできない」って思うかも?
そんなあなたに ハスとスイレンの見分け方を!
見分け方1:まず、サイズがぜんぜん違います。
スイレンは 葉の直径10~20cm、花の大きさも直系 5~10cmくらいで
鉢植えでじゅうぶん育てることができます。直径30~50cmくらいの「睡蓮鉢」もよく販売されています。
これに対して、ハスは基本、鉢植えでは無理です。(たまに「桶植え」が売っていますが窮屈そうです)
地上1m~2mくらいの高さに葉や花を伸ばして咲く大型の花です。
葉の直径15~50cm、花の大きさも直系 15~30cmくらい。
とにかくでかいです。
ハスは、体積比が スイレンの10倍くらい(もっと?)あります。
小さなウサギと、大型犬くらいには違うと思って。
*ただ、切り花で飾る用に売っているハスはかなり「小型種」なのであまり大きさが変わらないかも
見分け方2:水面に浮いているか、水上に飛び出るか
スイレンは水面に葉と花を浮かべます。
たまに少し水上につき出す葉もありますがこのくらいの範囲です。
モネの「睡蓮」の絵が有名ですね。
これに対して、ハスは、水上1~2mまで茎が伸びてから 花や花が開きます。水面が見えません。これが人の背の高さあります。この下が水や沼とはちょっと思えない外観なので蓮の池や沼・畑に行くときは注意です。
上の2枚の写真でもよく分かります。
ハスとスイレンの同じところ
・水上に花を咲かせる
・咲く時期が7~8月(スイレンは~9月まで)
・朝早く咲いて午後には閉じる
どちらも、7月後半~8月前半の 早朝に見るのがおすすめ^^
スイレンは9月でも大丈夫です。品種によっては10月まで咲くものもあります。
こんなところもおもしろいよ!
植物の進化で言うと、「スイレン(睡蓮)」のほうがずっと古いです。
植物が地上に上がったのが4億5000万年前前後のオルドビス紀(海の時代・カンボジア紀の次)。
コケ・シダ植物・花のつかない裸子植物を経て、「花」が生まれたのは一億5000万年前くらいといわれています。
「スイレン」は、その早期に生まれた花にあたります。
地上に進出した樹木の中から現存する「イチョウ」「メタセコイア」などの裸子植物そして、花をつける「モクレン」も生まれました。
恐竜がいた時代にすでにスイレン(睡蓮)や、モクレン(木蓮)はもう存在していて、白亜紀の恐竜たちも、いまとあまり変わらない睡蓮や木蓮の花を見ていた…って思うとすごくロマンを感じませんか?
わたしはめっちゃ浪漫を感じます!うっとり。
人類の誕生=アウストラロピテクス約400万年前、現生人類約20~3万年前なので、花たちに比べて、なんと人類の歴史の浅いことか。
なお、「ハス」の花はインドのインダス文明から聖なる花と呼ばれ(紀元前2600~1900年ごろ、今から約4~5000年前)、ヒンドゥー教・仏教の特徴的なシンボルとなっています。日本でも2000年前のハスの花(大賀ハス)が話題になりましたね。
「スイレン」はエジプト文明(紀元前3000年~0年ごろ、今から約2000~6000年前)で愛されていました。
両方とも、人類にとって古くから愛されている花です。
蓮の花もじゅうぶん古くからある歴史のある花ですが、睡蓮は比較にならないくらいもっと古い、と覚えておけばいいかな。植物の進化のほか、社会・神話・文化人類学的にもとてもおもしろいと思います。
ハス・スイレン・モクレン。
なぜ、どれも「蓮」の字がつくのか、どなたか研究していませんかね?わたしが知りたいです。
お盆とハスの花の関係
ハスの花は、仏教で「蓮華(れんげ)」として登場します。
泥の中でも汚れず、水上に高く茎をのばして美しい花を咲かせるので最も高貴な「天上の花」と言われます。
仏像も蓮の花の上に乗っています。この台座も「蓮華」と言います。
お盆には、ハスの葉の上にお供え物を載せたり、蓮の花を飾ったり、蓮の花を模した飾りを飾ったり…と、地域によってさまざまな形でハスを取り入れていることが多いです。
ハスをお供えの食事に食用として使う地域もあります。
お花屋さんでは、お盆に合わせてハスの葉と花が並びます。
お花屋さんに並ぶのは、観賞用の小型の種類になります。
(レンコン栽培用の種類はもっとBIGサイズ!)
蓮根・レンコンとは
蓮根とは、文字どおり「蓮の根っこ」…、と言いたいところですが、根っこではなく「地下茎」のことです。
ハスは地下茎で泥の中を横に伸びて育ちます。根は地下茎の蓮根の節の部分からちょびちょび出ているアレです。
蓮根のほか、実も食用で食べますね。葉を食べる地域もあり、全草食べることができます。
レンコンの穴はどこまでつながっているの?
穴の開いたレンコンさん、一体どこまであの「穴」はつながっているのか、気になりますよね。
じつは、あの穴はハスの全身の茎に空いていて、全部つながっています。
地下茎であるレンコンから、葉っぱの茎、花の「実」になるところにもつながっているから、ハスの実はシャワーヘッドのよう。咲いた花の真ん中にすでにシャワーヘッドが見えますね。
茎の葉っぱにも穴はつながっていて、そのまま葉っぱにもつながっています。
茎に水道を接続して水を流すと、シャワーーーー!!っと水が出ます、とっても面白いですよね!
花の真ん中めしべからできていく実、葉っぱ、茎、地下茎(レンコン)までずーーーっと、ぜんぶ穴が開いていてつながってるなんて、すごくすごく不思議な植物ですよね。おもしろすぎる。
ちなみに、穴が開いているのは、泥の中、水中で酸素が足りなくて苦しいから、空気がほしくて空気穴をあけていると言われています。葉っぱに開いた穴から地下茎まで、続いているので空気が泥の仲間で届きますよね。
ハスの葉は「傘」になるのか
わたしは昭和生まれなので、このハスの葉っぱを傘にする図を、各所で見たことがあります。
ほんとうに実際に傘として使えるものなのか?ずっと気になっていました。
そうしたら!ブログ読者のレンコン農家関係者さんが
農家の息子さんに聞いて下さったのです!感激!
その結果は…
「子どもの頃に学校帰り、急に雨が降ると、
レンコンの葉っぱをポキッと折って、
傘代わりに差して帰ってたんだって」
わー、本当に、傘になるんですね!!
判明して嬉しい~~!!
ホントに小学生が、傘にしてた~~!!
カワイイ!まんがみたい!>▽<*
地域のこどもたちみんなやってるのかな~
想像すると、かわいすぎる!
&なんだか感動!!
「でも、茎の中心は空洞になってるので
折った部分から水が入るとレンコンが腐っちゃうから、
知らない人はやっちゃいけない。
茎を折ったところをねじっておかないといけないそうです」
おおお~~!
確かに、たしかにです!
あのハスシャワー、レンコンまで繋がってるんですもんね!
あの「穴」は、花も葉っぱも、そしてレンコン(地下茎)まで全部繋がってるから、葉を折るだけだとそこから雨水が入ってしまうんですね。そのまま水がレンコンの穴に入ってしまうとレンコンが腐ってしまう!
だから葉を折ったら、雨水が入らないように茎をねじっておかないといけないと、そういうわけなんだな。
さすが農家さん情報!
おもしろすぎます!!
ハスの花が咲くとき「ポンっ」って言うって本当?
私もいつどこで誰に聞いたのか、記憶が定かではありませんが。
「ハスの花は、明け方に開くときにポンっと音がする」・・・って聴いた事がありまして
「そっかーそうなんだー、早起きして池に行った人だけが聴く事ができるのね!」と
早起きして林に行くとカブトムシやクワガタ虫がたくさん捕れる特典と同じように考えておりました(笑)
しかし、レンコン農家関係者さん情報によると
「そんな音がしたら、レンコン農家の人、寝られないよ(苦笑)」
ガーーーーーン!!(((゜д゜;)))
迷信?
メイシン?
めいしんか~~!!
ちょっとガッカリ・・・・(ノд-。)
でもそりゃそうかも。
そんなポンポンなったら農家さんは寝てられませんわね。
確かにね~~~
コレ全部鳴ったらうるさいよね~~^^;
送って頂いたレンコン畑の一面のハス写真↓
とにかくBIG!! 花のサイズ見てくださいよ。すごいでっかい!
地上に葉っぱが出ているので、一見「普通の畑」に見えて、ちょっとコワイと思ってしまいました。
知らずに畑に入ったらずぶずぶ沈んでしまいますもんね;;
実際は泥ですから。
地域ではみんな知ってるから問題ないのでしょうけどちょっとドキドキしてしまいます。
蓮根農家さんは、ハスの「花」も出荷するんですか?~聞いてみた
レンコン栽培をしていても花も咲きますよね。。。もしかして花市場に出るの?
って思ったので、一緒に聞いてみました。
このお話を聞いた地域での話ですが
『今は、花の出荷はしていない』そうです。
『以前はしていたこともあった』とのこと。
なぜ、出荷をやめたかというと、
花の咲く時期が、地下茎のレンコンの成長期と重なるため、花を採りに入るとレンコンが痛んでしまうそうです。
なーるーほーどーーー(。・Д・。)
それに、花屋さんで売ってる「ハスの花」って、
あのペットボトルサイズじゃないですよね。もっと小さいです。
花屋さんで売っているハスの花は「花バス」というらしく、品種が違うんですね・・・多分ですが。
というわけでレンコン農家さんがハスの花を売ってる訳では(このお話を伺った地域では)ないでそうです。
ハス・クイズ!
突然ですが、ここまで読んだあなたなら超~簡単! な、むかしブログでハスの特集を連載していた時の企画です。
第1問・「ハスの実」はどれ?
ハイ、とっても簡単ですよね!
第2問・「ハスの葉」は水をツルッツルにはじく。この構造は何に活用されている?
ハスの葉っぱは水をはじきます。
これは、微細な凸凹構造+ワックスによるものでズバリ「ロータス効果」と呼ばれています。
凹凸の構造と作ることで水をはじいたり、物質がくっつきづらくなるという便利さのため様々なところに活用されています!
これは記述問題でいこう。いっぱいあるので考えてみてねー! 答えは一番下で。
第3問・ハスの葉と同様に「ツルツル水はじき構造」を持つ葉っぱはどれ?
ハスの葉っぱと同じく、イラストとかでよく動物やカエルが「傘」にして持ってる葉っぱを選べばOK♪
戸外で遊んでハスの葉っぱを見て、触った人にしかわからないこと
現代では子どもも大忙しです。
保育園や幼稚園に遅くまでいることもあるし、低年齢の頃からお勉強!で忙しかったり、習い事で忙しかったり、はたまた室内でスマホやゲームばかりになってしまうこともままあります。
なので、どうしても、遊具のない戸外で自分で遊びかたを考えて遊ぶ、という機会が減っています。
時代背景的にしかたのない側面もあります。
でも、だからこそ、意識的に子どもが遊具のない戸外で遊ぶ時間を取ること、とても大切だと思っています。
なぜかというと…この発明、ハスの葉っぱや里芋の葉っぱを見て触って、「不思議だな~どうしてだろう??」って思った経験のある人にしかでき得ないからです。
いろいろな技術の発明・開発には、自然の生きものの模倣がとても多いです。
ハスの葉っぱの構造の応用もそのひとつ。
わたしたちは日々、人間には思いつかないすごい技術を、生きものたちが編み出しているのを真似させてもらっています。
こうした発明ができたのは、むかしハスの葉っぱで遊んでいたから。
その経験がなければ発明は生まれないですよね。
ただの【原っぱで遊ぶ】には無限の可能性があると わたしは思っています。
遊具のない環境で遊びを生み出して遊ぶ。不思議を発見して考える。
そういう機会を意識して作るようにしたいな、とわたしは思って子育てしました。
ほんとうにとても大切な時間だと自分の育児経験からも感じています。
もし同じように感じてくれたらぜひ、おさんぽしたり戸外で遊ぶ時間をとってみてください。
クイズ回答編
それでは、クイズの回答です。
★第1問:ハスの実はどれ?
このページのさいしょのほうに出ていますね!一番右の写真です。
★第2問:ハスの葉っぱの構造を活用した技術は?
めちゃいっぱいあります。どれか1つ当たってたらおめでとうございます!
・お米がくっつかないしゃもじ
・汚れないトイレ
・汚れないキッチン
・撥水加工のレインコートやジャケット
・もちろん傘も
・汚れのつきにくい外壁タイル
・ヨーグルトのふた
・マヨネーズやケチャップの容器
・撥水スプレー などなど
★第3問:ハスの葉と同様の構造の葉っぱはどれ?
いちばん右の葉っぱ。「里芋」です。
よくくまさんやカエルが傘にしてるイラストがありますよ~